28日目。

2002年9月13日
今日の予定

・実験(QIAGEN midi prepによるDNA精製 GST融合蛋白精製)
・論文を読む(メインテーマ RNAi)
・9時に研究室に行く

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大人の世界。昨日は感じた。

ぼくが去年行っていた実験は、目的の蛋白質(仮にAとする)に結合する未知の蛋白質を網羅的に探索しようというものであった。(Yeast Two-Hybrid assayという、この分野での網羅的screeningを行う手法としては、最も一般的なもの。メリットは簡単に大量の遺伝子をscreeningすることができること。デメリットは精度が少し甘いため、結構偽陽性がでること)
その結果、いくつかの候補(B,C)となる蛋白質をコードした遺伝子を得て、実際に蛋白質を発現させて結合実験を行ったところ、(B)および(C)、共に結合を確認できたのである。また、候補のひとつ(B)は、エンドサイトーシスに関わるとされる別の蛋白質(D)と結合することが分かっていたため、ボスである助教授とぼくは相談し、日本で(B)を研究している研究室から(D)の遺伝子および、(できれば)(B)・(D)の抗体をもらおうと考えた。

そこでメール。簡単にいうとこんな感じだったと思う。
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(A)と(B)は結合することがわかりました。また、(B)と結合する(D)は(A)と同様にエンドサイトーシスに深い関わりをもっていると示唆されます。そこで、先生の行おうと思われている研究と競合しなければ、共同研究というかたちで(D)の遺伝子および(B)・(D)の抗体を頂きたいのです。
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この文章を翻訳すると、こういう意味になる。
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(A)・(B)・(D)を使ってエンドサイトーシスの実験を行おうと考えています。結果が出て論文になったらauthorに名前を載せますので、その代わりといってはなんですが、遺伝子と抗体をください。
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そのメールの返事が19時ごろ返ってきた。簡単に翻訳を交えて言うと
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(D)はけっこう実験すすめてます。(D)に結合する蛋白質も新たに同定しました。なので、あなたたちが今から(D)を一からはじめるのは難しいと思われます。
ですので、(A)と(D)との関係についての研究はそちらのpriority。(D)自体の研究についてはこちらのpriorityということにしましょう。ということでよろしければ、(B)・(D)の遺伝子、変異導入遺伝子・抗体をお譲りしますよ。
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さすがに、相手側の先生もなかなかやる。
助教授とぼくは、その結果に少し力が抜ける。まあ、100%こちらが考えているようにはすすまないものだろうし、この結果に関して言えば、80%以上の成功と言ってもよいと思い直した。

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ペンギンズランチ・コレクション
8/10(シークレット含む)
いまだダブりなし。
あとは「ジェンツーペンギンのひな」と「シュレーターペンギン」のみ。

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おととい(11日)、「ピンポン」1・2巻を購入した。ピンポンは映画で観たのだけれど、原作を読んだことがなかったため。Yahooの映画情報の書き込みを見ていると、原作はよいという見解で一致していたようであったし。

読む。

確かに、線が太くベタ塗りの多い絵柄自体は好みが分かれるかもしれないが、そのコマ割・そこから生み出されるスピード感と迫力はさすがだと感じる。

今月は出費がかさむのだが、最後まで買ってしまうことであろう。きっと。

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昨日は9時10分〜23時45分でした。
実験をそんなに詰めていないといえど、この時間がぼくの限界です。これ以上は働けません。

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